AIでいのちを救う取り組みが本格始動!

2021年5/7(金)に実施した「READYFORクラウドファンディングご支援者様向けウェビナー」を、文字起こし版でお届けします。
YouTubeでも公開しておりますが、文字でもお読みいただけるよう、ご提供いたします。ぜひご一読ください!



ウェビナーは3部構成になっております。ご覧になりたいSectionをお選びください。
Section:1 <AIでいのちを救え!> COVID-19-ResQプロジェクト発起人・代表 伊東大輔
Section:2 <予防・未病分野におけるIT技術の可能性について> 東京大学医科学研究所・病理部長 大田泰徳医師
Section:3 質疑応答

CONTENTS
1.現状認識 ~新型コロナの危険性について再確認
2.ワクチンと変異株について
3.「凌いでいのちを守る」ために、AI/Iotで2つの手段を提供
1)ライフスタイルAI ~ResQ Bandで個々人が「不調」に気づける仕組みを提供
2)トリアージAI ~医療のキャパシティをAIで底上げし、医療崩壊を回避する
4.ResQ Band先行リリースの意図
5.クラウドファンディング後の動き ~リストバンド型ウェアラブルIoT選定の経緯
6.ResQ Band機能紹介
7.COVID-19-ResQプロジェクト・これからの取り組み
1)ライフスタイルAIの普及
2)トリアージAIの普及
8.お願い
1)新しい習慣をデモンストレーション!
2)計測イベントへのご参加
3)症例データの提供
4)普及のための導入先ご紹介

まず現状認識として、改めて新型コロナの危険性について再確認したいと思います。
「インフルエンザと大して違わないから大騒ぎするな」という意見に反論させていただきます。新型コロナの死者は、インフルエンザの約3倍です。


ロックダウンして厳戒態勢を取っているのにこの被害です。アメリカも同様です。11倍です。通算では55万人が亡くなっています。

アメリカも同様です。11倍です。通算では55万人が亡くなっています

新型コロナウィルスが、一過性の流行感冒(はやり風邪など)ではないことがお分かりいただけるかと思います。やはり怖い感染症であることは間違いがなく、正しく恐れる必要があると考えます。
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2.ワクチンと変異株について

次に、ワクチンと変異株のことについてです。イスラエルは、Pfizer BioNTech(ファイザー・ビヨンテック)社のワクチンを接種して久々に死者ゼロになったんですが、国境は閉じたままです。Pfizer BioNTech社の第一弾のワクチンが、カバーしていないタイプには無力だからです。
こちら、国立感染症研究所の報告資料です。(*)

<参考> 国立感染症研究所 感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルスSARS-CoV-2の新規変異株について 第8報(2021年4月7日)

インドで見つかったタイプのものに対して、Pfizer BioNTech社のワクチンが効かないことが分かって来ています。
↑(2021/05/18:追記)5/7のウェビナー後に、Pfizer BioNTech社のワクチンがいわゆる南アフリカ変異株、インド変異株にも有効であるとの調査が発表されました。光明が見えて来ました!
ワクチン接種と感染抑止スタイルの定着を徹底することで、新しい定常状態を達成できる見込みがぐっと上がりました。ただし、米国が早々にマスク不要を打ち出してしまったためにPfizer BioNTechの第1弾のワクチンの効果を回避する変異種がはびこる隙を作っており、Pfizer BioNTech社の第2弾ワクチンはやはり必要になる可能性があります。

Pfizer BioNTech社の場合、変異を認知してから量産に入るまで約6週間かかります。第2弾を出して、直後にかいくぐられてもいけないので、変異株が溜まってきた頃合いを見計らって次のタイプの量産に入る、ということを当面繰り返します。

すぐに根絶するのは難しいです。小康状態を保ったまま「凌ぐ」、というのが大事な時代なんですね。
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3.「凌いでいのちを守る」ために、AI/Iotで2つの手段を提供

「凌いでいのちを守る」ために、COVID-19-ResQプロジェクトでは、AI/Iotで2つの手段をご提供します。ひとつには 1)ライフスタイルAI 、ふたつめが 2)トリアージAI です。

COVID-19-ResQプロジェクトが提供する2つの手段 ライフスタイルAIとトリアージAI

1)ライフスタイルAI ~ResQ Bandで個々人が「不調」に気づける仕組みを提供

ライフスタイルAIで、一般の人たちが身につける「ResQ Band」を使って不調をキャッチする仕組みを提供します。やばくなった時には気付きたい、見守って欲しい、というニーズに応えていきます。

昔は、少々身体の具合が悪くても病院にかからずに、我慢して「気合と根性」で学校や会社に行ったりすることが、尊ばれてきました。そういうのはもう、止めないといけません。具合が悪かったら家にいて「休む」。人の中に交わっていって、移すリスクというのを避けて行かなくてはならないということです。

2)トリアージAI ~医療のキャパシティをAIで底上げし、医療崩壊を回避する

トリアージAIで、患者さんの振り分け判断を最適化する仕組みを医療機関向けに提供します。重症だったけど、峠を越えた人、そういう人には退院してもらい、病床を空ける、といった判断を最適化して、医療のキャパをAIで底上げする、そういったニーズに応えていきます。

このように、ワクチンと変異株のイタチごっこの時代を、凌ぎ切る、そのための武器をAI/IoTで提供します。健康状態を常時モニタリングするResQ Bandを中心としたライフスタイルAI、そしてAIで医療キャパシティを底上げするトリアージAI、この2つということです。

これからの時代、完全に「元」には戻らないにしても、私たちがこういう気持ちで居たほうが良いな、と思うことがあります。

リモート化することができないもの、リモート化しないほうが良いものというのは、一定数あると思います。たとえ感染リスクがある程度あったとしても、リモート化せずに残すべき人と人の交わりって、ありますよね。例えば子どもの社会性を身につけるための活動や、家族やカップル、そしてエッセンシャルワーカーの方たちの仕事です。

そういったものを、できる部分でのリモート化を進めていくこと、そしてマスクや三密回避、ResQ Bandを活用した感染感知、トリアージAIによる医療キャパの底上げ…これらの策を活用して、感染リスクがあっても「リモート化しない・できない人と人との交わりある活動」も社会として許容できるように…そのためにも出来ることをしよう、という考え方もあわせて提案し続けていきます。

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4.ResQ Band先行リリースの意図

ResQ Bandは、6月発売予定です。先行して完成しましたので、今後、普及を目指していきたいと思います。この意義についてご説明します。

「不調なら休む」…家から出ないということがなぜ大事なのでしょうか?

不調な人が社会の中で交わってしまうと…

非常に感染力が高いので、クラスタが発生し、患者さんが医療機関に殺到すると…

医療崩壊が起きてしまう。ICUとかも、そんなにたくさんあるわけじゃないんですね。地方とかだと、県全体でICUが数カ所というところもありますので、簡単に崩壊してしまう。

なので、ResQ Bandを皆さんが身につけることで、不調だとそもそも社会に交わっていかない、交わる前に医療機関を受診すると…これを徹底することによって、医療崩壊を防ぐと言うことです。

以下の動画は、現状(左側)と、ResQ Bandを身につけて「不調に気付いたら、社会の中に入っていかない」「不調なら家で休む」を実践した場合(右側)のシミュレーションです。

このシミュレーションでは、不調をキャッチしたら社会に出ずに医療機関を受診する…そういう人が一定数を超えてくると、ロックダウンしなくても凌ぐことができる…ということを表しています。
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5.クラウドファンディング後の動き ~リストバンド型ウェアラブルIoT選定の経緯

こういう考え方に基づいて、READYFORクラウドファンディング(2020年12月12月~2021年1月)を実施しまして、おかげさまで大成功にて完了した直後の2021年の1月26日に、研究者の方とミーティングをしました。

まずは、1)の「不調をキャッチする仕組み」を完成させよう!という出鼻で、トラップにはまりました。
候補として取り寄せたリストバンド、実験して値がおかしいのでドリルで分解したら、中身が偽りありだったんですね。センサーが、違うものが入っていた。

これはもう顔面が真っ青になって、夜も眠れないほどでした。これだと使い物にならないね…と。

そこであらためて一般的なフィットネス商品などを調べなおしてみました。以下の表、単位は「%」で、「PO」は、医療機器としてのパルスオキシメーターで計測したところ、「ERR」は誤差です。
この調べ直しで、医療用のパルスオキシメーターで測るとそれほど異常ではないのに、リストバンド型だとものすごく値が低く出てしまったりとか、高く出てしまうという問題に悩まされました。

最初のNGだった機種をやめて、試行錯誤の結果、最終的に我々が選定した機種は上記の「ResQ A01H」になります。これが、いま予約受付しているResQ Bandになります。アップルウォッチ(S6)が10~20%くらい誤差があるのに比べ、「ResQ A01H」のほうが測定値が良かったんです。

またリストバンドとして「腕に身につける」ということは、指先で計測する医療機器としてのパルスオキシメーターと、違った課題が出できます。

腕につけることによって動きやすさはあります。しかし高齢者など、腕の皮膚に色素沈着をしている人やしわがある人もいます。バンドのつけ方にも、ゆるさなど個人差があります。難しい問題がいろいろがあって、本当にこのままでいけるんだろうか?と悩みました。

これは弱ったな~、と思っていたところに、何人かのお医者さんから、生きているか死んでいるか分かるのでも十分に役立つし、傾向が分かれば使いようがある、というアドバイスをいただいて、明りがさしたんですね。

そこでさらに調べて、センサーが取得している計算前の生の値をAIで学習させることで、後から性能を向上させる、精度を上げていく仕組みを発明しました。

そういった技術を活用すれば、最初は死活と傾向管理でスタートしたとしても、じわじわと性能を後から向上していくことで、最初の頃に集めたデータ後から活用でき、価値が高まってくる仕組みを作ることができるめどが立ちました。テスラ(電気自動車)の車も、買った後から性能が向上すると言いますが、それと同じことができる技術を発明したわけです。

最初のスタートラインは「値の信頼性の確立」であり、これからのリサーチも必要なので、最初は「死活と傾向の監視」というとで割り切って使っていただくことになります。

また心不全の方とか、SpO2が常時80%の方などを見守るには向いていません。ある程度割り切った使い方を、最初はしていただければと思います。

使っていくうちに、AIの解析技術は上がっていきます。上がっていくことによって、表示される値が良くなるのはもちろんですが、昔集めたデータもあとになって新たな価値を生むことがわかり、これを活用するめども立ちました。

ただ、AIで解析するための元々の生の値は、高性能なものを収集しておかないと、結局「ゴミデータを集めてもゴミしか出ない」ということになりかねず、センサーだけは最初から高性能じゃないといけないのです。

で、とても良いセンサーが見つかりました。アメリカのTexas Instruments(テキサスインスツルメンツ)社と、ドイツのOSRAM(オスラム)社の、分解能が非常に高いセンサーを採用しました。

いずれも生体情報の取得では、定評があるセンサーです。それを搭載した、リストバンド型ウェアラブルIoT(型番:ResQ A01h)です。

そして今回は、発注して届いた試作品をすぐにドリルで分解して、中身が間違いないということを確認しました。

これでようやく、リストバンド型のウェアラブルIoTをお届けできる!というところまで、たどり着いたわけです。ResQ A01h…ResQ Bandの誕生です。
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6.ResQ Band機能紹介

ResQ Bandは、スマホアプリとセットになっています。スマホアプリからデータをクラウドに飛ばして、例えば社員さんなど何人かまとめて管理したり、遠方のご両親お二人の状態を確認したりと、そう言ったことも柔軟にできる仕組みが確立できました。

もちろん、普通に売っているフィットネス機器と同等の項目…皮膚温、血中酸素濃度、血管の内壁を押す圧力、呼吸数、心拍数、活動量などが計測できます。

スマホアプリはこのような画面です。ぜひ、活用いただきたいと思っています。

これは、パソコンの画面です(ResQ Platform)。赤で囲ったツマミの、ゲージを調整することで、自分がレッドゾーンなのかイエローゾーンなのか、グリーンゾーンなのか確認することができます。

あとグループで使っていて、どの人がやばいのかな?というのも一目瞭然でわかる仕組みも提供しています。スマホでもPCでも状態が確認出来ます。A社のウォッチは家族だけですが、ResQは関係機関を無限に増やすことができます。

事前のアンケートであったんですが、「体温だと何度以上だとヤバいのか教えて欲しい」という質問がありました。ResQ Bandは医療機器としての体温計などではないので、ResQ Bandで皮膚温を測定して、ご心配なときは実際に体温計などで測っていただければと思いますが、以下が「新型コロナウイルス診療の手引き」の第4.2版からの引用です。ご参考となさってください。

新型コロナウイルス診療の手引き 第4.2版(厚生労働省)
例えば、酸素飽和度の場合は「93%」というのが、ひとつ目安として出されています。ぜひ参考にして下さい。
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7.COVID-19-ResQプロジェクト・これからの取り組み

今後の取り組みとしては、「ライフスタイルAI」と「トリアージAI」ふたつの普及を目指していきたいと思います。

そしてまずはライフスタイルAI…ResQ Bandの普及を目指していきたいと考えています。

ResQ Bandが普及すればするほど、不調なのに出歩く人が減り、身の回りが安全になるということです。

そしてトリアージAIは、臨床研究にこれから進んで行きます。この計画はアドダイスに所属していない医師が主導する臨床研究として実施予定です。これから6月にかけてPMDAと相談して研究計画をレビューしてもらい、7月から12月まで半年かけて実験を行い、3月までの承認を目指す、というスケジュールになるのではと伺っています。

1)ライフスタイルAIの普及

今日は、会社の経営者の方もたくさん聞きに来ていただいていますが、従業員の方が不調だったら、「休んでいいよ」「無理して出てこなくていいよ」という会社に、したいただければ…と思います。

かつ、不調の方をひとりで放っておくのではなく、皆で見守れるようなしくみも提供しております。

実はこういった考え方は、アフターコロナでも、慢性疾患の対策に使えるんじゃないか?とか、色んな課題解決に向けてアイデアをお寄せいただいています。

こういうことにも活用できるのでは?というアイデアを、ぜひお寄せください!

2)トリアージAIの普及

医療機関向けのトリアージAIに関しては、2020年4月にCOVID-19-ResQプロジェクトを立ち上げて、2021年3月から県立広島病院のご協力で診療データの解析を行いました。ここでは、感染した「後」のデータの解析を行っていたのですが、感染する「前」の段階から健康データを集めておいて、感染する「前」と「後」でどんな変化が起きるのか含めて解析したいと考えています。

今年の6月にPMDAに相談して、7月から半年間くらい臨床研究を実施して、そのデータを取りまとめて医療機器としての承認を目指したいと考えています。

ResQ Bandの性能に関しても、750~1,000名程度のデータを収集し、どの程度の信頼性があるのかを検証するとともに、AIの解析自体も進めて、感染した人としていない人のデータを比較することで、重症度と重症化リスクをより的確に解析できるようにしていきたいと考えています。
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8.お願い

今後の具体的な行動としては、4つあります。ぜひご協力をお願いしたいです。

1)新しい習慣をデモンストレーション!

ResQ Bandを身につけて生活している様子を、周りの方にも広めていただく、ご紹介していただきたいです。またSNSなどに投稿して、周りに広めていただければと思います。

メディア取材もOKでしたら、ご連絡いただけましたらご案内差し上げます。広報活動にご協力いただければと思います。

2)計測イベントへのご参加

ResQ Bandは、医療機器の計測と対比しながら、AIの力で後から性能を上げていくことができます。計測イベントを企画してご案内差し上げますので、その際は是非ご参加ください。

3)症例データの提供

コロナ特有のお願いなのですが、ResQ Bandを装着して暮らす中で、不幸にしてコロナに感染した際はご一報いただき、ぜひ症例データ提供にご協力いただければと思います。
また、AIは「対照群」として、罹っていない人のデータも必要です。こちらもご協力を呼び掛けますので、データ提供にご同意いただき、応じていただければ大変ありがたいです。

4)普及のための導入先ご紹介

また、ResQ Bandは普及すれば普及するほど、身の回りが安全になります。エッセンシャルワーカーの方々…警備会社とか建設現場など…ぜひこういうところで、関心持っているお客様がいらしたら、ぜひご紹介をお願いします。

ひとつには、職域のクラスター対策になると思います。

あと、「フレイル対策」ですね。高齢者の方で、あまりにも人と話さない生活が続くと、弱ってしまう。フレイル状態(要支援、要介護の前段階)というのですが、フレイルにならない対策としてResQ Bandはニーズがあります。すでに高齢者施設で普及が始まっていますので、ぜひご紹介いただければと思います。

是非、普及にご協力ください。ご清聴ありがとうございました。
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Section2「予防、未病分野におけるIT技術の可能性について」 東大医科学研究所 大田泰徳

CONTENTS
1.コロナウィルスの感染による死者数の推移
2.日本における死因について
3.ライフスタイル医学について
4.医療とITの融合

1.コロナウィルスの感染による死者数の推移

この話(COVID-19-ResQプロジェクト)のプロトタイプは、コロナ以前よりありました。そのため、今回の講演はコロナ以外のお話もはさせていただきたいと思います。経営者の方が多いと伺っているので、そのあたりも視野に入れてお話をいたします。

まず、日本におけるコロナウィルスの感染による死者数の推移を見てみましょう。

ご覧いただいて分かる通り、去年の4月(第1回目の)緊急事態宣言下は、それほど高い山ではなかったと言えると思います。

コロナウィルスの非常に難しいところは、無症状の方から重症な方、亡くなる方までとても幅があることです。1万人くらい亡くなっておられますね。実際に患者さんを診ていても、急変する方、本当に何ともない方、まちまちなんですね。

だから重症化したり、亡くなったり…その「リスク」が高いか低いか「まだわかっていない」ということがあげられます。現場でも、急に悪くなったりすることがあるので、なかなか難しいです。

医学的見地からすると、コロナは非常に難しい(病気)です。ウィルスはもともと変異をするものです。少しずつ変異して、ウィルスも生き残ろうとしています。イギリス株、インド株…などですね。インドはいま大変なことになっています。

元々ウイルスは、非常に「変異」が入りやすいです。変異と言うのは、遺伝子がちょっとだけ変わることです。ウィルスと言うのは、ひとつの個体に100万、1000万といますので、その1000万がぜんぶ同じではありません。ちょっとづつ違うんです。

その「少しづつ」の違いの中で、より増えることができるもの、ワクチンがあればよりワクチンを逃れることができるもの、より人々に感染しやすいものが、生き延びるためにどんどん広がっていきます。それがウイルスの生存戦略なんです。変異というのは、当たり前のように起こっている現象です。

そしてコロナウィルスは、ウィルスの中でも変異が非常に得意なウィルスです。もともと、新型コロナが出現する前から、私たちが「風邪ひいた」という通常の風邪の、2割くらいの原因はコロナウィルスです。これは「通常型」のコロナウィルスですが、今回は悪性度の高い変異が入って、世界中に広がっています。以前からあったコロナウイルス属から枝分かれして、新たに出現したコロナウイルスなので「新型」コロナウイルスと呼ばれているわけです。この新型コロナウイルスは世界中に広がったうえに、さらに変異を繰り返しているために、大変なことになっているわけです。

インフルエンザって、毎年のようにワクチンを打ったり、特効薬があったりしますが、では完全になくなってるか?と言うと、毎年毎年はやりすたりがありますよね。こういったタイプのウイルスは、根絶が非常に難しいです。なので新型コロナウイルスも、完全に根絶するのは難しい。我々の生活から全く消えてしまうと言うのは、大変厳しいのではないかということが、医学的には考えられます。
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2.日本における死因について

日本人の「死因」について考えて見ましょう。実は日本では年間140万人の人が亡くなっています。コロナウィルスでの死亡者数は約1万人です。

割合で、どうのうこのではなく、ビジネスを考えたときに「マーケットの大きさ」を考えることは重要です。薬を作ることも同じです。1人しかいない患者さんのために薬を開発するのは難しいでしょう。

日本人の死因は、時代と共に変遷しています。1900年代初頭は「結核」でした。感染症は、ずっと人類を苦しめてきたんですね。それが戦争中の抗生剤(ペニシリン)の登場で、劇的に減っていくんですね。その後は「循環障害」が多く、1980年代からは「悪性新生物」です。

このように医療ニーズは時代と共に変わります。先ほど述べた「マーケット」の考え方からしても、より多くの人が悩んでいる病気について考えて対応していく必要があるというのがお分かりいただけると思います。

そして、だんだんと病気そのものをどうこうするというよりも、「その前の段階」をどうにかしなければいけないのではないか?とという概念が広がってきました。「医療」というものを、(医師や看護士や臨床検査技師など)医療従事者だけがやる時代は過去の時代であると言えます。その「前」が重要だということです。

上記は、1996年に厚生労働省が「生活習慣病」を定義したものです。「食習慣。運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症、進行に関与する症候群」としています。
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3.ライフスタイル医学について

最近、米国ではさらにすすんだ「ライフスタイル医学」とよばれる概念があります。

基本的な発想は、日本の「生活習慣病」に近いんです。従来のように、病気の「治療」にスポットを当てるのではなく、むしろ「予防」に重点を置きます。ただアメリカの「ライフスタイル医学」は、日本の「生活習慣病」よりもさらに広い概念をもっています。

例えば「サプリメント」「プレクリニカル・ドラッグ」、「行動変容へのアプローチ」…これは心理学ですね。みなさん、「これは身体にいいよ」と言われたことたくさんあると思います。例えば「運動は身体に良い」。ダイエットもそうですね。身体に良いのはわかってる。続けられるか?が問題です。なかなか続かないです。多くの人はわかっていても、続かない。これが「行動変容」、心理学です。

アメリカでは心理学は非常に重要視されてます。日本もそのうち、そうなっていくと思います。

そして「ストレスマネジメント」。ストレスも非常に重要です。そして「栄養学」「心理学」「経済学」…こういったすべてのことを考えて行かなくてはならない。人生全体を、考える必要があることが分かっています。

この分野において、ITとの融合での可能性は非常に広いです。私の研究は、どちらかというと基礎研究をメインでやってきていますが、ITとの融合の重要性は感じていて、可能性は非常に広いと思います。

下図において、「無症状」「採血で軽度の異常」「軽度の遺伝子異常」、ちょっと専門用語になりますが「エピジェネティックな変化」など、そういったことによって20年後30年度、重大な病気になるということがわかってきました。

例えば「ビタミンCは免疫を上げてくれるから身体に良い」ということも、では具体的に何をしてくれるの?ということも、わかってきました。変な遺伝子が出る細胞を、減らしてくれる機能があることが、わかってきたんです。なので昔からよく言われている、「これは身体に良い」ということが、遺伝子レベルで語れるようになってきているんですね。

こういったこともITとどう融合するか?…難しい問題ですが、これらの研究が皆さんにとって、いろんなことをやっていくヒントになればと思います。
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4.医療とITの融合

最後に、米国における収入と寿命の関係についての論文をご紹介いたします。

「年収」と「寿命」の相関は、明確にあると言われています。グラフの右端は「年収2万ドル」…2億円です。それは年収2億ならストレスはないですよね。そうなってくると、女性の平均寿命は90歳超える。そう考えると(医療や寿命を考えるためには)「社会学」も重要です。色々な学問が重要だとお分かりいただけると思います。

こういった大きな動きを背景に、今回のResQ AIにおける医療とITの融合で、この新型コロナウイルスの時代だけでなく、今後の社会全体を良くしていくことができるのではないかと考えています。

ご清聴ありがとうございました。
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Q1:現段階で、メインに紹介して欲しい組織について、規模感(人数/性別/年齢/地域等)、手続き(紹介するにあたり必要な情報等)、コスト感(紹介先が用意すべき予算等)等の基本要件をご教示いただきたい。

A1:【伊東】ご紹介いただきたい組織は大きく2つございます。

1つ目は高齢者施設です。こちらは健康の見守りとしてすでに実証試験が始まっている事例もございます。都度にご紹介いただければと思います。

2つ目は、1000人単位、100人単位などエッセンシャルワーカーがいらっしゃる法人様です。クラスタ対策にお役立て頂けると思いますので、ご紹介いただければと思います。

紹介の為の必要な資料は、ご希望の方にメールでご連絡いたします。

コスト感としては、法人向けにレンタル価格をご提案しております。(1台当たり;3000円/月 最短レンタル期間3カ月)

費用に関しては規模に応じてご相談をさせてください。導入時に必要なものはiPhone(iPhone6S 以降で最新のOSが入れられるもの)、もしくはAndroidバージョン9.0以上のスマートフォンをご用意ください。

スマートフォンについては、レンタルや中古販売の手配をご紹介することも可能です。

Q2:プロジェクトのゴールと今後のロードマップについて教えてください。

A2:【伊東】プロジェクトの成果物は2つあります。1つ目は「ライフスタイルAI」です。こちらについては、ResQ Bandが完成しました!一般社会への普及を進めるフェーズが始まっています。

2つ目は「トリアージAI」です。こちらについては、医師主導のもとで臨床研究を行って参ります。スケジュールとしては、6月にかけてPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)との相談を実施し、7月~12月にかけて半年かけて臨床研究実施、その後データを取りまとめたうえで、PMDAに承認の申請をし、3月までの承認を目指すということで承っております。

Q3:センサ端末は電池駆動でしょうか。それとも充電ですか。

A4:充電タイプです。フル充電をしていただければだいたい1週間くらい持続します。

Q4:本プロジェクトは、コロナ収束にどのくらい貢献できますか?

A4:【伊東】”収束”が何かということになりますが、大田先生のお話においても”根絶”は難しいということでした。そのような状況において、慢性的に小康状態を保ち続けること”収束”に近い状態だと思っております。ResQ AIで感染者を一時的に隔離することで、一定の社交空間を安全に保つことができるのではないかと考えています。

【大田先生】ResQ Bandのいいとことは、いろいろな体のデータをとることができるということです。自分の体のことは実はあまり分かっていない。それを数値で示してくれることで、体調の変化に気が付きやすくなる。コロナウィルス等の独特のパターンを掴める可能性はある。ただし、コロナウィルスの”収束”は難しいでしょう。

Q5:医療分野からみてAIでの診療支援についてどのようにお考えでしょうか?

A5:【大田先生】無限の可能性があります。今後の中心になっていくのではないかと思います。具体的に、今は初診の患者さんのことは何も分からない状態での診断をしています。もし、ウェアラブル端末(ResQ Band)からの情報があれば普段の身体のデータも分かるのであらゆる可能性があるか思います。

【伊東】重症度、重症化リスクに関して、人間が得意なことと人間が不得意なことがあります。AIが考えた方がが早く正確なこともあるでしょう。タンパク質の代謝物など人ごとに異なることが分かってきています。人間ではとてもしきれないRNAも含めマルチオーム解析が可能になります。AIは一人一人に最適化した医療にも寄与するでしょう。

Q6:ウェアラブル端末を含むユーザー側のご利用環境と状況についていかがでしょうか?

A6:インターネットに接続できるスマートフォン、 iPhoneまたはAndroidが必要です。

・AndroidはOSが9.0以上。GPSオン、アプリのインストール制限を解除しておいてください。

・iPhoneは最新OS14が入るもの。6s以降(iOS 14対応機種)

※高齢者の場合に、どなたかが親切の意図で、アプリのインストール制限がなされていて、ただちにインストールできない場合があるのでご注意下さい。

Q7:現状どのような課題があるのでしょうか?

A7:成果物2つそれぞれに課題があります。

1)ライフスタイルAI:ResQ Band

a. ResQ Band:精度と用途 死活と相対傾向の監視 → 対比計測とAIで精度向上

b. ResQ Live:BLE通信の途絶、iOS電源無接続ならiOSがアプリ乗っ取る、機能拡充

c. ResQ Platform:群管理機能(従業員の管理)の拡充、AIの改善

2)トリアージAI

a.  相談に続いて臨床研究を実施するための費用 4500万円

b. PMDA相談費は確保済み →臨床研究の資金は3,000万円→承認申請1300万円
以上

ウェアラブルIoT「ResQ Band」の予約販売が始まり、実用化に向けて走り出した本プロジェクトを、今後ともご支援よろしくお願いいたします!

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