1. HOME
  2. ブログ
  3. ブログ
  4. 起業家として単身アメリカに渡り感じたつらさと、生み出した解決策② <こころを見守る メンタルヘルス AI>

DICE-Talk

アドダイスCEO・伊東大輔のブログ

ブログ

起業家として単身アメリカに渡り感じたつらさと、生み出した解決策② <こころを見守る メンタルヘルス AI>

CEOブログ用TOP海外生活のこころのケアセミナー2

さて今回は、6/8に開催したセミナー「海外生活のこころの不安に、臨床心理士がお答えします」と題して、海外在住の日本人の方向けのメンタルに関するオンラインセミナーからの収録、第2回になります。自身の経験から、メンタルヘルスAIの開発に至る経緯をご紹介します。
前回の記事はこちら

見えないこころをAIで「見える化」する研究

私は、広島大学の「ものづくり研究会」でAIの客員教授をしています。取り組んでいる「こころの可視化」について、広島大学などの先生方(※)と一緒に研究を続けています。

※本研究の詳細は科学技術振興機構のサイトでご確認ください。
Well-Being 社会に貢献する感性統合解析パッケージDXの社会実装
本件に関するアドダイスのプレスリリース

私が、AIによる「こころの可視化」研究に取り組むモチベーションとして…これは一緒に研究している先生方も同じ思いがあると思うのですが…やはりこころというのは「見えない」。何を考えているのか?うれしいのか?実はダメージを受けているのか?周りからは見えません。これを見えるようにすることで、人のWell-beingに貢献できるはずだという強い思いがあります。

周りから見えないだけでなく。自分自身でも気づきにくい。平気だと思っていても、メンタルの負荷が高まっていたり、悪化しているかもしれません。特に海外にいる場合、気が張ってますし、こんなことで弱っている場合じゃないという気持ちが強いので弱音を吐けないと思います。

体温を体温計で測るように、心のアップダウンを数値化し、把握できるようにする…それが私たちのAIサービスによるこころの見守りサービスです。
海外生活のこころの不安に臨床心理士がお答えしますオンラインセミナー

研究では、広島大学などの先生方が計測装置を開発し、私がそのデータをAIで解析しています。ストレスがかかっているのか?抑うつ状態になっているのか?など様々なこころの問題を扱います。

昨年の実証実験では、被験者として広島市北部にある北広島町住民ボランティアの皆さん、また広島大学の学生さんなどに、スマートウオッチを身に着けて生活していただきました。スマートウオッチがバイタルを測定し、Bluetoothでペアリングしたスマホアプリ経由で自動的にクラウドのAIに送り、こころのリスクが高まると通知を出してくれるしくみです。

また被験者の方には、定期的にストレス度合いや抑うつ傾向などメンタルヘルスに関する「質問紙」に回答していただき、それらも取り込みながらAIで解析してきました。

海外生活のこころの不安に臨床心理士がお答えしますオンラインセミナー

海外生活のこころの不安に臨床心理士がお答えしますオンラインセミナー

その成果を受けて、こころを見守るAIが、いま活用できるようになっています。

こころに障がいある方の就労支援で実証中です

こころを見守るAIは、現場で実証も続いています。昨年より、愛知県にある「一般社団法人あいち福祉振興会」という就労支援施設で使われています。

あいち福祉振興会では、引きこもりなどこころの問題を抱えて退職、休職せざるを得なかった方々が、再び仕事に復帰するための就労支援を行っています。就労希望者の方にスマートウオッチを着けていただき、スタッフの方の就労サポートを受けながら、社会復帰を目指す間のこころの状態を可視化しています。

海外生活のこころの不安に臨床心理士がお答えしますオンラインセミナー

こちらの施設では、就労先を選択する際、仕事の内容と時給が色々あり、自分で仕事が選べます。ひとつは「肉体的にはハードだけど好きな仕事。でも時給はよくない」もうひとつは「好きじゃない仕事。でも時給はいい」。被験者の方が後者に取り組んでいるときは、ストレスが高まりました。前者のときは、肉体的にはハードでもストレスが下がりました。

こんな風に、どんな仕事がその人に合ってるのか、ストレスが少なく働けるのかを、スタッフと相談しながら探っていくことができるようになっています。これまでスタッフの主観的なスキルだけで行っていた就労支援が、客観的な数値を元に行えるようになってきています。

⇒あいち福祉振興会様における事例紹介記事はこちら

こころの健康を保つためにできること

最後に、こころの健康を保つための私の個人的な取り組みをご紹介します。

まず身体、生活を整えることです。朝は散歩をしたり、池のほとりで瞑想をします。仕事をしている日中は、ストレッチを意識して行います。また週末はジムに通うようにしています。

言葉、会話も大事です。朝は登校する娘と一緒に自宅を出るようにして、会話をします。夜は家族で食事をして用件だけでない会話…つまり雑談をします。他愛のない会話は、とても大切だなと実感します。

海外長期滞在の皆さんは、実際にこころの健康を損ねたとき、どんなサービスがあるかを知っておくことも大切です。精神科医、臨床心理士などの専門家や見守りサービスなどで、こころのリスクを自覚し、対策することが大切だと思います。

ご清聴ありがとうございました。アドダイスは、今後もこころとからだを見守るヘルスケアAI「ResQ AI」の開発に取り組んで参ります。ResQ AIに関するお問い合わせは、お気軽にお寄せください!

アドダイスのAIソリューションへのお問い合わせ・資料のご請求はこちらから

関連記事