JR東日本スタートアッププログラム2023 春DEMO DAYレポート ~自律型AIによる電気融雪器省エネ運用プランをプレゼンテーション!
2023年12月6日、アドダイスは、JR東日本スタートアップ株式会社による課題先行型マッチングイベント「STARTUP PITCH#4」採択およびJR東日本スタートアッププログラム2023春採択を受け、DEMO DAY(発表会)に登壇しました。プレゼンテーションしたのは、アドダイスの自律型AIを用いた電気融雪器の省エネ運用のプランです。その模様をレポートします!
本件に関するアドダイスのプレスリリース(2023.11.14)
1.DEMO DAY概要およびプレゼンテーターについて
DEMO DAYは、JR東日本スタートアップに採択を受けた各企業によるプランの「発表会」です。各社7分間の持ち時間の中で、5分のプレゼンテーションと2分間の質疑応答を行います。その模様はYouTubeで配信されました。
JR東日本スタートアッププログラム2023 春DEMO DAY(発表会)概要
・日時:2023年12月6日(水) 14時から
・内容:JR東日本スタートアップからオンライン配信
プレゼンテーションには、アドダイスを含め7社が登壇。JR東日本の膨大な鉄道インフラを活用した、様々な事業アイデアが提示されました。アドダイス以外の各社については、JR東日本スタートアップのサイトおよびプレスリリースをご覧ください。
・JR東日本スタートアップ「STARTUP PROGRAM」
・本件に関するJR東日本スタートアップのプレスリリース(JR東日本スタートアップのサイトへ)
プレゼンテーターについて
アドダイスのプレゼンテーションを行ったのは、弊社マネージング・エグゼクティブ・オフィサーの池谷真澄です。池谷は長年、営業の最前線で数多くのお客様と対話を重ね、お客様に寄り添った活動で厚い信頼を獲得している営業の責任者でもあります。
今回のプレゼンテーションに際し、これまでにない大舞台ということで、営業現場でお客様とお話する以上の大きなプレッシャーも感じつつ、徹底的に練り上げたスクリプトでプレゼンテーションに挑みました。
2.プレゼンテーション ~自律型AIで電気融雪器の省エネにチャレンジ!
以下、池谷のプレゼンテーションの概要をご紹介します。(本コンテンツ用に再編集しており、実際のプレゼンテーションとは内容が一部異なります)
社会の自律神経としてはたらく「自律型AI」
ひとの心臓は、いちいち「動け!動け!」と命じなくても、自律神経のはたらきによって、生命を最適に維持できるよう動き続けます。この自律神経のように、意識することなしに自律的にはたらき、自ら再学習し続け、社会活動を根底で支えるAI基盤、それがアドダイスの特許技術「SoLoMoN® Technology」に基づく「自律型AI」です。
あらゆるところにセンサーが張り巡らされ、大量のデータがあふれる時代。すべてのデータに人間が目を通し、判断し、人が最適制御し続けることは不可能です。自律型AIプラットフォームは、ひとの自律神経のように大量データの一次処理を請け負ってはたらき、最適制御を行います。
アドダイスの自律型AIは、AI学習につきものである都度学習の膨大なプロセスを必要とせず、「自ら再学習し続ける」AIです。管内に星の数ほど点在し、各地域特有の条件下で稼働するJR東日本の設備を、個別対応しつつ横断的に制御・管理するには、私たちの自律型AIが最適であると判断し、今回のご提案に至りました。
17万個ある電気融雪器の省エネにチャレンジ
電気融雪器とは、レールのポイント部分が雪などで凍結しないよう温める装置です。
電気融雪器はJR東日本管内に約17万個あり、仮にすべてを1時間稼働すると、約6万2千世帯分の電力を消費します。
現在の電気融雪器制御は、固定の設定温度でON、OFFを制御しています。ですので、たとえば乾燥してまったく雪が降りそうにない、でも気温はとても低い…といった場合でも、融雪器はONになってしまう仕組みのため、凍結していなくても通電が続きます。つまり、無駄な電力を使ってしまうということなんです。
電気融雪器はJR東日本管内の様々な場所にあり、それぞれ気象や地形などの条件が異なるので、最適な設定条件もバラバラです。
さらに時間の経過とともに、電気融雪器設置個所の近くに建物が建ったり、土地の造成などが行われるとまた条件は変化します。
加えて、昨今の地球規模での環境変化や異常気象もあります。電気融雪器の設定条件は、これらに応じて都度都度、更新をし続けなければなりません。
電気融雪器の制御は、土地ごとの個別対応のほかにも、時間軸で次々と訪れる様々な変化に柔軟に対応できるしくみが欠かせないのです。
そして地球規模の視点では、2030年までに「CO2排出量26%削減」という目標、最終的には2050年の「排出量ゼロ」…カーボンニュートラルへの対応も必須です。
自律型AIによる制御で、最大63%の電力量を削減!(※)
アドダイスの自律型AIプラットフォームで電気融雪器の制御を行った場合、現在の電力使用量の最大63%を削減できると結果が出ました。これは、約3万9千世帯分の1時間の電力量に相当します。
※当社シミュレーション結果。
環境変化に柔軟、かつ安全なシステムの構築を、人手をかけずに実現
これからのJR東日本を支えるシステムに求められる条件は、まずはこういった環境変化に柔軟であることが欠かせません。さらに、安全性の確保も重要です。そしてこれら条件を満たしつつ、いかに人手をかけずに構築するかが課題となります。これを実現できるのがアドダイスの自律型AIです。
アドダイスの自律型AIは、環境変化に「SoLoMoN Technology」の特許技術で対応可能です。稼働し続けながら収集したデータを再学習し、AIモデルを自らアップデートしていきます。さらに安全性についても、空調制御(省エネAI・SEE GAUGE)の分野で実績があります。
<ご参考>
・【事例紹介】空調制御の「職人技」をノーコードでAI化!空調に関するお客様からのお声が8割減!
・相鉄企業株式会社 プレスリリース「相鉄ジョイナス」の施設管理システムに予兆制御®AI「SEE GAUGE(シーゲージ)」を導入【相鉄企業】空調管理の自動制御で、お客さまの快適性を向上へ
AI制御で最終的にめざす姿
電気融雪器制御の実証試験は11月からすでに開始しており、JR東日本管内数カ所で、AI解析・学習に必要なデータ収集を開始しています。
実証試験中は、収集データと気象データを照らし合わせAI学習モデルを構築、自律型AIで省エネ制御を行います。そして最終的には、気象データからレール温度を推論し、省エネ制御をするというシンプルな仕組みを目指しています。
アドダイスの自律型AIは、空間・環境が最適かつ快適であるよう、またそこで過ごす人のこころと身体も健康で健やかであるよう、自律神経のように裏方ではたらきます。
省エネAI制御もそのはたらきのひとつであり、たとえば空調制御であれば空間の快適性(空調効果)を損なうことなく、エネルギー使用量を最少に抑える制御をAIが自動的に行います。
アドダイスの自律型AIは、省エネ、カーボンニュートラルを推進しつつ快適な空間をつくり、健康で安心な生活を支え、すべての人のWell-beingを実現します。アドダイスは、「こんなAIがある時代に生まれてよかった」と、感動を持てるような社会を目指しています。
以上
最後になりますが、今回採択いただき、DEMO DAYという大変貴重な機会を与えてくださったJR東日本スタートアップ株式会社に、深く感謝申し上げます。
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