ヘルスケアデータの国際標準化に関する日韓ワークショップにて、講演を行いました!~AIとセンサーデータが創るWell-being産業のエコシステム
皆さん、こんにちは!アドダイスCEOの伊東大輔です。
2025年12月11日、東京・虎ノ門の「官民共創HUB」にて、日本規格協会(JSA)およびセンシングIoTデータコンソーシアム主催の「日韓ワークショップ(IEC/SyC AAL Workshop Japan-Korea)」が開催されました。
そこで私も講演の機会をいただき、30分間、お話をさせていただきました。
簡単ですがご報告します!

Active Assisted Livingとヘルスケアデータ国際標準化
本ワークショップのテーマとなっている「AAL(Active Assisted Living)」とは、ICT技術等を活用して高齢者などが長く自立した生活を送れるよう支援する取り組みや技術のことです。
母体であるIEC(国際電気標準会議)は、電気工学、電子工学等の技術について国際規格を扱う団体であり、本ワークショップを主催した「IEC/SyC AAL」は、IECの中で、高齢者等の自立生活支援に関する国際標準を策定している委員会です。
自分たちも、日常的に「これとこれは、データの互換性がないから使えないね」などと言います。ベンダーやデバイス、システムが違うとデータが使えない(もしくは使うために多くの工数を必要とする)状況は、開発者にとっても利用者にとっても、非常に不便なことなのです。
ICT技術の活用で高齢者等の自立生活を支援しようとするとき、利用者のヘルスケア等のデータをベンダー、デバイス、システムを超えて活用するためには、データ規格の標準化が欠かせません。そのために活動を続ける日韓の専門家が一堂に会したのが、今回のワークショップというわけです。

来日したIEC/SyC AALの国際副議長、Han Taehwa氏のご講演の様子
データの国際標準化は、利用者中心のWell-being産業エコシステム構築の推進力
今回は「AIとセンサーデータが創るWell-being産業のエコシステム」というテーマでお話しさせていただきました。
アドダイスのヘルスケアAIは、「生涯にわたり利用者の心身が健康で(Well-beingで)あるよう、常に見守り、リスクを知らせたり、整えたりする」はたらきを目指しており、データの国際標準化が実現すると、この構想が非常に大きな推進力を得るのです。
例えば医療機器、ヘルスケア機器、環境センサーなど、メーカーや信号形式が異なるデバイスからのデータ利用が劇的に容易になり、ヘルスケアAIはより多様なデータから学習することができ、精度向上が望めます。
また利用者の日常生活にセンサーが入り込み、家庭、病院、薬局、介護施設といった「場」のデータ、また24時間365日途切れない時系列的な「線」のデータを得ることができ、AIが継続的に見守れる環境を作ります。
さらにベンダー、デバイス、システムの垣根を超えた連携が進み、様々なサービスやソリューションが増え、良質な市場競争が発生します。それは結果的に、利用者の選択肢を増やし、Well-being向上に資する流れとなっていきます。
アドダイスが国際標準化推進のお手伝いをするのは、こういった考えが背景にあります。

ベンダーの垣根を超えたコラボレーションのイメージ
自覚できない心身の不調が、深刻な「病気」になってはじめて病院へ行くのではなく、日々の生活の中で各々が自分の中のリスクに気づき、自分自身の行動変容、あるいは他者(家族、介護、行政、専門家、医療等)の介入によって、健康な状態へと引き返すことができる。国際標準化が普及すれば、AIとセンサーデータの活用でこういったエコシステムの構築は一気に加速するでしょう。
今後も国際標準規格「IEC63430」の普及啓発の一助に
講演ではそのほか、本件に関するアドダイスの活動履歴などもご紹介させていただきました。

活動のご紹介。左はヘルスケア機器と医療機器のデータについて稼働実証の様子
今後ともアドダイスは、日本規格協会様、センシングIoTデータコンソーシアム様と連携しながら、ヘルスケア国際標準化推進の一助となれるよう、取り組みを続けて参りたいと考えています。
私以外に登壇された皆様については、ぜひ本ワークショップの公式サイト(日本規格協会)でご確認ください。国際標準化について、それぞれのご専門分野からのお話は大変有意義なものでした。特にIEC/SyC AALの国際副議長、テファ氏にご紹介いただいた韓国の事例は、日本と同じく急速な超高齢化社会の事例として興味深く拝聴しました。
今回、そのような皆様の中で講演をさせていただいたこと、大変光栄に思います。
本件にご関心ある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
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